ヨーグルト②
前回に続いて、ヨーグルトです。
なお先に申し上げておきますが、明治のステマではありません。
このLG21ヨーグルトは、前回のR-1ヨーグルト同様、乳酸菌の種類をその名に冠したヨーグルトです。
R-1ヨーグルトは、NK(ナチュラルキラー)細胞の活性化を目的としていました。
一方、今回のLG21は、Helicobacter Pylori (通称、ピロリ菌)を除去する作用を持っているらしいです。
ピロリ菌は、特に胃潰瘍や胃がんの発生する確率を高めることが知られています。
ピロリ菌の除去には、薬剤を用いる方法もありますが、乳酸菌による方法の方が、
・ 副作用がない
・ 薬剤に対して耐性のある菌の出現がない
などの利点があります。
LG21に関する発明以前にも乳酸菌を利用したピロリ菌対策はありましたが、今回の乳酸菌の選定に際して、明治の研究者たちは以下の点に着目したそうです。
それは、
・ 胃内部(低pH、強酸性)での残存性
・ 乳酸菌を利用した食品の形態、香味など
です。
これらは今までの研究では、考慮されて来ませんでした。
以上を踏まえて、数多くの乳酸菌から見出されたのが、
Lactobacillus gasseri QLL 2716株
という乳酸菌だそうです。
この乳酸菌を含んだLG21ヨーグルトは、食べるだけで胃がん、胃潰瘍を防げるヨーグルトと言えるかもしれません。しかも、舌触りよく、おいしい。
ストレスで胃潰瘍になりそうな私にはうってつけです。
ところで、このLG21ヨーグルトは、以下の特許を取っています。(ラベルに記載あり)
特許番号: 特許3046303号
出願日: 1999年6月24日
登録日: 2000年3月17日
わかもと製薬株式会社
wikipediaによれば、2000年ごろからの販売開始となっています。前回、紹介したR-1ヨーグルトには先輩商品に当たるわけです。出願と同時に審査請求となっていることから、当然、翌年の販売開始を見越しての特許出願と思われます。
また、特許権者には、明治だけでなく、わかもと製薬も入っています。更に、発明者には、東海大学の研究者の名前もあることから、産学連携の共同研究成果のようです。この点はR-1と違いがあります。
LG21の産学連携で得た技術、ノウハウを元に、R-1ヨーグルトの研究、開発に繋がった、とも考えられますが、明治の発明者の名前が違うため、別の開発グループと考えられ、少し無理のある推測と言えます。
まぁ、LG21のヒットが、R-1の呼び水となった、くらいはありえるかもしれません。
以上、二回連続で明治のヨーグルトを取り上げましたが、いずれも明治の特許戦略とともに、ヒット商品が生まれたと言えます。
今後、明治の新規出願動向を調べれば、次にヒットするヨーグルトが見えてくるかもしれません。