これからについて考えていること

これからについて考えていることを整理もかねて記載します。

  1. 知財系弁護士になる
  2. 企業知財部へもどる
  3. 他事務所への移籍
  4. 地元での就職または開業

1.知財系弁護士になる

弁理士資格を取得してから、3年が経ちました。

弁理士試験の勉強は、中々大変でしたが、面白くもあり、法律分野というのも悪くないなという印象でした。また、特許法をはじめとした知的財産法分野というのは、法律の世界では、いわば最果ての地のようなもので、かなり特殊な法域です。

そうしてみると、法律分野の全体を見てみたい、もっと広い世界を覗いてみたいという気持ちが、かなり前からありました。

法律分野全般を勉強するとすれば、やはり司法試験が目標の一つとなると思います。

弁理士試験も確かに難しい試験ですが、司法試験は段違いです。そもそも受験するには、法科大学院を修了するか、予備試験に合格する必要があります。司法試験の合格率自体は、25%程度ですが、受験資格が必要なのと、勉強する法域も広く大変です。

法科大学院については、費用と時間を考えると、働きながら通うのは困難であり、予備試験のほうが現実的と考えます。しかし、予備試験の合格率は3%程度と超難関です。

また合格後も、1年間の司法修習を経て、試験に合格しなければいけません。

ということで、勉強したい気持ちはあるものの、その先にある幾多の困難を前に尻ごみしているという状態です。一応勉強道具、環境は備えているのですが、ほとんど手についていません。

そもそも今の自分の年齢、環境からして、弁護士になってから食べていけるかはかなり微妙だと思っています。専門は、知財ということになると思いますが、決してパイの大きい分野ではありませんし、弁護士業界ではかなり遅い参入になり、他の若手との差別化がどこまでできるかかなり疑問です。

まとめると、法律分野の勉強のメルクマールとして、司法試験(予備試験)を考えているが、その後のキャリアを考えるとモチベーションがそこまで上がらない。というのが現在の心情です。

2.企業知財部へ戻る

特許事務所へ転職し、1年半が経ちました。明細書の作成の基本もほぼ身に付き、お客さんからの指名もいただけるようになって、業務的には順調だと考えています。給与は、微妙ですが、国内の新規出願がメイン業務の現状では、そこまで高い給与は望めないの仕方ないかと思っています。

一方で、このまま明細書作成業務にのみ特化していくことが自分にとって良いことなのか、やや疑問です。明細書作成は、確かに弁理士にとって主要な業務ですが、それだけではないですし、明細書作成だけで食べていけるかといわれると、今後の知財業界では厳しいのではないでしょうか。

そこで、できればいろいろな業務(鑑定、係争、コンサル)などにも携わりたいのですが、事務所自体にそういった業務が回ってくることは稀であり(事務所の業務形態にもよります)、仮に回ってきても自分よりも先輩弁理士にまず行くことでしょう。

してみると、このまま特許事務所で勤務弁理士を続けても明細書作成能力のみを磨き続けることになり、自分の素質としてそこまで突き抜けられるか非常に疑問です。

そこで、企業知財部へ戻るという選択肢があります。

企業知財部でなら、上記したような様々な業務に携われますし、明細書作成能力自体を直接使うことはない(内製を除く)ですが、弁理士が作成した明細書のチェックに生かせますし、発明者からの特許性に関する質問にも特許事務所目線で回答できます。

また転職活動が面倒なのと、第2新卒として転職できる年齢に限りがあるので、やるなら急がないといけませんが。

3.他事務所への移籍

上記2では、業務の幅の狭さを問題にしましたが、それは同じく上記したように事務所の事業形態にもよります。

コンサル中心に行っている事務所もあり、そういった事務所でなら明細書作成だけでなく、コンサルから発展して様々な業務を担当できると思います。

また、事務所の規模がもう少し小さいところであれば、鑑定などが依頼されたとき、自分に回ってくるチャンスも高くなります。さらに、規模が小さいほど、間接部門の割合い(事務、総務)が減って、利益率がよくなり、結果として給与水準が高くなると予想されます。

そこで、少人数の事務所へ移籍することが考えられます。

リスクとしては、少人数のため経営体力が弱い場合には、資金繰りが悪化し、すぐに閉鎖となる可能性があることでしょうか。あとは雰囲気が合わない場合には、その影響を直接受けやすいということが考えられます。特に、所長と馬が合わないときついと思います。

4.地元での就職

ここまでの話とは少し毛色が変わりますが、このまま地元離れて働き続けてよいのか、という思いがあります。

今住んでいる、働いている場所が特段嫌なわけではありませんが、好きなわけでもなく、とりあえず働く場所があるからそこにいるというだけの理由です。

一方、やはり生まれ育った場所というのには、こだわりがあり、いつかは帰りたいと思ってしまいます。また、両親もいますので、万が一介護などが必要になった場合には、そばで暮らしていたほうが何かと便利ではないかと思います。

そこで、地元で就職できればいいという風にしばらく前から考えています。また、弁理士資格を取った今では、事務所を開業することも可能になりましたので、それも一案かと。少し厳しいかもしれませんが。ひょっとすると、弁護士くらいあれば、なんとか自分一人ならいけるかもしれません。

 

 

むすび

ということで、取り留めのない話を長々と書いてしまいましたが、とりあえず弁護士を視野に入れながら、自分の今後についてもう少し検討していきたいと思います。

 

 

転職までにした3つのこと

転職活動をした結果、なんとか新たな職場に採用していただき、今年の四月から働き始めました。新たな職場で働き始めて半年が経過し、身の回りも一段落したので、転職活動~その後までをまとめておきます。

これから知財業界で転職される方の参考になれば幸いです。

 

転職までにしたのは主に以下の三つです。

1.転職をしようと思い立つ

2.転職先を探す、面接などを受ける

3.退職する

 

以下、上記三点について説明します。

1.転職をしようと思い立つ

実は、ここが転職に際して、最大の障害なのではないでしょうか。

なぜ今の仕事を辞めて、別の仕事をする必要があるのか。その場では、当然

けっこう突発的だったり、衝動的な理由であることが多いと思います。

ちなみに私の場合、きっかけはかなり些細なことでした。そこから段々と現在の自分について考え始め、最終的に転職を決意しました。

一番大事なことは、転職ありきで考え始めないことではないでしょうか。いろいろな選択肢の一つとして、転職を挙げ、最善の選択が転職である場合に、行動を起こすべきだと思います。

次の2でも、なぜ転職をするのか、というのは非常に重要になりますので、よく考え(理論武装して)、行動されることをお勧めします。

 

2.転職先を探す、面接などを受ける

転職を決意したら、転職先を探すことになりますが、知財業界だと、主に企業知財部か、特許事務所になります。

一般論ですが、企業知財部のほうが、安定していますし、仕事の幅も広いです。特許事務所は、企業に比べれば、やや不安定な面があります(事務所の規模にもよります)。またかなり専門性の高い仕事になります。

給与面でいえば、出来高で決まるので一概に言えませんが、特許事務所のほうがいいのではないでしょうか。一方、福利厚生でいえば、企業知財部のほうに分があります。

力関係でいうと企業知財部>>特許事務所ですね。

かなり私見が入ってますので、その点はご承知おき下さい。

あとマイナなところでは、特許調査会社もありますね。

 

さて、転職先の方針が決まったら、具体的な行動を起こす必要があります。

転職先を探す手段として、1)求人を見て自分で応募、2)転職エージェントを使う、3)知り合いのつてをたどるなどが考えられます。

1)については、知財業界ですと、パテントサロンとかIP-Forceとかの求人を見て応募されるのがいいのではないでしょうか。私も意味なく結構見ています笑。

2)は、パテントジョブエージェントとか有名どころでしょうか。登録すればあとはエージェントと連絡を取りながら進めることになります。

3)は、あまり聞きませんが、仕事上の接点がある人に聞いてみるとか、チャンス次第ですかね。

 

私は2で転職先を探しました。エージェントの人が優秀な人だったので、とんとん拍子で話が進み、結局ひと月くらいで転職活動は終わりました。なお、ステマではありませんのであしからず。

 

さて、実際には、転職先を見繕ったあと、面接を受ける必要があります。私の場合は、一回で終わる場合もあれば、2回以上受ける場合もありました。面接回数は、転職先の組織の大きさに概ね比例すると思います。

面接で聞かれることは、まあ相場は決まっていますが、今の仕事とか、転職の動機とか、なぜその転職先を選んだかとかですね。この辺は、転職エージェントから事前に教えてもらえたりします(過去に受けた人の情報が蓄積されているようです)。

 

知財業界だと、技術の知識、または知財の知識いずれかが、マッチングしないと厳しいような気がします。逆に言えば、知財の仕事をしていなくても、技術者として経験があれば、結構採用して貰えると思います。実際、エンジニアをやめて、知財業界に来る方は非常に多いです。自分の得な分野、技術は何なのか、大学時代の専攻、会社員時代の開発テーマ、製品をよく見直してみましょう。また応募先の事務所と取引のあるクライアントを特許公報から分析してみましょう。

↓こういうサイトもあります。

Patentfield | オープンAI特許検索・特許分析・特許調査データベース

 

また、特許事務所の場合、所長によって職場の雰囲気がかなり変わると思いますので、所長先生の人柄、性格が自分に合うかが結構大事なポイントになります。面接の際は、こちらもよく確認したうえで、最終的な判断をされることをお勧めします。

 

3.退職する

めでたく転職先から内定がもらえたら、今の職場をやめる準備が必要です。まぁ、まずは上司に伝えましょう。この辺はハウツー本になってますので、それらを参考にして下さい。

 

2018‐2019年版 図解わかる 会社をやめるときの手続きのすべて

2018‐2019年版 図解わかる 会社をやめるときの手続きのすべて

 

 

不退転の決意で臨みましょう。

また、退職に伴いいろいろと面倒な手続きもあります。頑張りましょう。あと、引継ぎもきちんと計画的に行いましょう。個人的には、これが一番大変でした。後の人の負担が少なくなるように、できるだけ切りのいいところまで進めつつ、次の人とも情報共有や一緒に仕事を進めるようにしましょう。

特に知財業界は、結構狭いので、禍根を残すとどこかで思わぬしっぺ返しを食らうことにもなりかねません。円満に退社し、退職後も良好な関係を維持できるといいですね。

 

 

 

以上、長々と説明してきましたが、自分の新たな可能性を切り開いていきましょう。あと、転職後、後悔することもあるかもしれません。ですが、大体何かを選んだあとは、選ばなかったほうがよく見えるもんです。割り切っていきましょう。

ビジネス実務法務検定2級に合格しました。

先日、ビジネス実務法務検定2級を受験し、一昨日合格通知を受領しました。

備忘録として、受験体験を以下に記載しておきます。

これから受験を検討されている方の参考になれば、幸いです。

 

1.ビジネス実務法務検定とは
2.受験に至った経緯と資格取得のメリット
3.受験勉強の仕方
4.本番の様子
5.合格後の所感

 

1.ビジネス実務法務検定とは

ビジネス実務法務検定は、ビジネスパーソンに必要とされる基本的な法律実務知識の有無を検定する制度です(ビジネス実務法務検定試験3級公式テキスト)。

 会社員はじめ社会人の方が、習得すべき法律知識を問う試験であり、結構役立つ資格ではないでしょうか。基本的な法律知識だけでなく、より実務的な視点で出題されることも特徴です。ビジネスパーソンにはかなりお勧めの資格といえるでしょう。

 

 

2.受験に至った経緯と資格取得のメリット

 個人的な法律知識の取得状況として、特許法はじめ知的財産法に関する知識は、ある程度習得できたと考えています(もちろんまだ勉強は必要ですが…)。

 一方で、法律全般に関しては、まだ弱いところが多いというのが、実感です。そもそも法律を体系的に学んだことがありません。知財が法律の世界でどの辺にあるのか、どんな特色があるのか、もう一度整理しつつ、法律全般について、勉強したいと漠然と考えていました。

 

そんな中、ビジネス実務法務検定のテキストを本屋で見かけて、受験を決意しました。

 

 この資格のメリットは、ずばり法律に関する知識を客観的に評価してもらえることでしょう。法律に詳しい、と単に主張するより、この資格を持っているという方が当然分かり易く周囲にアピールできます。

 さらに、もちろん勉強を通じて、法律を体系的に学ぶことができます。

 いずれも資格勉強全般に言える一般的なことですが。

 

 

3.受験勉強の仕方

 使ったのは、以下のテキストと問題集のみです。 

ビジネス実務法務検定試験3級公式テキスト〈2017年度版〉

ビジネス実務法務検定試験3級公式テキスト〈2017年度版〉

 
ビジネス実務法務検定試験3級公式問題集〈2017年度版〉

ビジネス実務法務検定試験3級公式問題集〈2017年度版〉

 

 

3級はかなり易しめのテキスト、問題なので、一回テキスト通読、問題集を2~3周で、復習しながらやれば合格できるのではないでしょうか。

実際、3級の合格率はかなり高いようです。

 

私は、3級の受験を検討していましたが、せっかくなので2級に挑戦してみることにしました。お金ももったいないですし。

使ったのは、3級と同じく、公式テキスト、問題集です。

ビジネス実務法務検定試験2級公式テキスト〈2017年度版〉

ビジネス実務法務検定試験2級公式テキスト〈2017年度版〉

 
ビジネス実務法務検定試験2級公式問題集〈2017年度版〉

ビジネス実務法務検定試験2級公式問題集〈2017年度版〉

 

 2級になるとかなりテキストも厚くなり、内容も濃く(マニアックに)なります。

知財に関して言うとかなり突っ込んだところまで、テキストに書いてるという印象でした。(防護標章なんて、知財部員でもどんな制度、要件かきちんと説明できる人は少ないのでは…)

また、3級のテキストを前提に書かれているので、2級からいきなり受験を検討されている方も、3級の内容はきちんと把握しておくことをお勧めします。

以上から2級のテキストについては、網羅的に読むのではなく、問われやすいところを重点的に読むことをお勧めします。

 問題集 ⇒ 分からない箇所を復習 ⇒ 問題集

を繰り返すイメージです。

 

過去問に関しては、直前に解いて実力チェックに使っていました。普段は、法域ごとに問題集を繰り返す方が良いと思います。

 

あと、2級のテキストは、厚いので分冊して持ち運んでいました。問題集も、過去問だけ切り離してました。塗りつぶしの暗記は、重要なところ、間違いやすいところのみにし、あまり時間を掛けないようにしました。

基本的に、民法、契約などの重要事項を除いて、要件・効果を問われることはないので、みっちり暗記するよりは、その法律の趣旨や基本的知識を押さえておき、明らかに違う枝を削っていけば、正解枝にたどり着く、もしくは絞り込めるはずです。たぶん。

 

4.本番の様子

かなり時間早め(開始30分くらい前)に行ったと思ったのですが、他の受験者の方が結構着席していて驚きました。年齢層は、思っていたよりも高め(平均40代?)でした。

試験時間はかなり長い(2時間)ですが、たぶん余るので、よく見返しましょう。

特に、配点が3点の方はよくチェックしましょう。

 

5.合格後の所感

合格すると合格証としてカードが送られてきます。とくに賞状とかはないです。1級の受験をするかかなり微妙なところです。

でも法律全般についてはもう少し突っ込んで勉強したいと考えています。

 

 

 

2016年特許検索競技大会に参加しました

1.大会概要

特許検索競技大会とは、IPCCが主催する特許検索の技術を競う大会です。

2007年から開催され、参加者数は年々増加し、昨年は300名くらいの参加者でした。

コースは初級者(研究者など)向けのベーシックと、

実務者(サーチャーや企業知財部)向けのアドバンストがあります。

リンクはこちら⇒特許検索競技大会

私は、2014年から連続してアドバンストコースに参加しています。去年はブロンズ認定で、今年はシルバー認定を得ることができました。

 

2.どんな問題がでるのか?

2・1 選択問題

自分が受ける分野を選んで、解答していく問題です。分野は、機械、電気、医薬・化学の三種類あります。一応、私は全部の問題に目を通しますが、大体、機械で受験します。

選択問題は、大問二つあります。年によって変わりますが、

ひとつが先行技術調査や無効資料調査で、発明内容理解⇒検索式立案⇒スクリーニング⇒…という流れで、解答し、正解公報の一覧をまとめるものです。

もうひとつが、クリアランス調査で、実施構造を理解し、既にピックアップしてある公報番号一覧から、やばそうなものを見つける…という流れのものです。

普段の調査業務、抵触性判断を再現しながらやっていけばそんなに問題はないかと思います。

 

2.2 共通問題

分野にかかわらず同じ問題を解答するものです。特許分類や特許検索に関する基本的な知識を問うものから始まり、海外の特許の出願経過を調べさせたり、対応する海外特許分類を探させる問題などが出ます。

個人的には、この共通問題が一番難しいと感じています。

 

3.大会の雰囲気は?

開催場所は毎年変わっています。今年は渋谷駅近くのビルで、小規模のセミナーが開かれるくらいのフロアをいくつか借りて行われてました。

会場には、デスクトップが整然と並べられ、結構壮観です。PCは試験開始前からいじっていいので私はいつも早めに行って、パテントマップガイダンスやespacenetなどをブックマークしたり、JP-NETの設定とかをしてます。

会場に行くと、同じ企業や事務所同士の方で談笑されているのをよく見かけます。団体で出ることもできるので、仲間内で挑戦されるのもよいのではないでしょうか。

参加されているのは、若い方からベテランの方まで幅広いです。女性のほうが若干多い印象です。

 

4.個人的所感

特許検索業務を始めたときから、結構独学でやってきたところが多いと自覚していたので、客観的に評価してもらえるこういう大会はとてもいい機会だと思っています。ただし、あくまでIPCC特許庁?)が考える検索セオリーなどに沿っているかが基準なので(多分)、実務の感覚とは少しずれるかもしれませんが。

あと調査分野の違いによる難易や、使用DBによる違いをどこまで考慮するかが結構問題になるかと思います。過去に調べたことある分野ってだけで、分類に関する知識とかでかなり差がつくのではないでしょうか。特に認定基準に偏差値を採用しているので。

 

とまれ、特許検索能力を客観的に評価された基準で、社内や転職で、アピールできる材料にはなりますので、一回は挑戦されることをお勧めします。

 

 

2016年弁理士試験合格までにやったこと2

 ・2016年6~7月(短答合格後~論文受験)

短答合格がわかってから論文関係の講義を申し込み、論文に向けて勉強を開始。

インプットは最小限(論文直前講座)にとどめ、できるだけアウトプットに集中。

論文は初級の答練以来のため、かなり抜けているところがあり、その勘を取り戻すことから始めた。ほんとに短答から論文まで時間がないので、間に合うのか常に不安だったと記憶している。

セオリー通り、全文書きはあまりせず、小問ごと解いたまたは答案構成をやるのにとどめた。

判例は出ると言われたところを重点的にやった。高速バレルとか、e-Accessとか。全然でなかったけど…。

使ったボールペンは

 

 

三菱鉛筆 多機能ペン ジェットストリーム 4&1 ネイビー MSXE510005.9
 

 太さと書き味がちょうどいい。芯は0.7mmを最初使っていたが、最後は0.5mmにした。書き味は0.7のほうがぐりぐり書けて好きだったが、0.5の方が細かく書けるので記載量が増えるし、修正も入れやすかったので。

試験会場の下見はした。駅(成城の方)から歩けるが、真夏なので汗だくになる。路線バスもあるが本数が…。と思って当日行くと臨時バスが出ているので、利用されると良いでしょう。

でも当日は結局意地になって歩いた。世田谷の高級住宅街なので、某有名人のベースとかあって面白いです。汗だくになりましたが。

コンビ二は歩いて五分くらいなので、お昼は買っていったほうがいいです。

 

・2016年7月論文当日

会場のNTT研修センタは、昔学校だったのか大学のような教室で受験した。

早めに会場入りしたが、みんな結構速めに来ていて驚く。

特許は、いきなりPCTの趣旨がきて、これはやばいと思い、準備不足をごまかすため記載量が多くなる。これが後に響く。大問1で大きく時間をつかってしまう。

大問2はPBPが来てよっしゃ!となりまた書きすぎる。均等論はそこそこ。人口乳首事件をほとんどやってなかったので、適当。訂正の再抗弁はほぼ書いてない。訂正審判を請求するとかそのくらいだったと思う。

特許が終わってあぁ終わったと思いながら、昼飯を食う。絶望。

 

意匠は、問題文を受け取って、おもわず落丁ではないかと。問題の傾向も過去問とかなり違って驚く。

でも問1は結構シンプルで解きやすい問題ではないかと思う。問2は法の趣旨と類似のところは、出るといわれてやっていたのである程度書けた。判断主体はほぼ全滅。

意匠が終わってもまだ絶望。これはみんな書けたから差がつかないだろう。

 

商標は、区分とかやってないよ!と思って、条文を引きながら書く。結構時間を使った。マドプロもあまり得意じゃないので、まずいと思ったが、解いてみるとマドプロがそれほどメインじゃなく意外と解きやすい。

これも差がつかないかなと思って、結局暗澹たる気持ちで会場を後にする。

 

論文後は友人がつかまらず残念会ができず、仕方なくLECの解答速報会に参加。答案構成案をもらって、特許が壊滅していると確信。帰宅して自棄酒。

 

・2016年8~9月

来年の受験を考え、パンフレットを眺めたり、勉強道具や部屋の整理をする。勉強期間中はできなかった帰省や友人と飲みに行ったりする。

といいつつ万が一受かってる期待を捨てきれず、口述の過去問集はやる。LECの口述対策講座は費用やカリキュラムが合わず断念。

受験中もっとも勉強に身が入らなかった期間。まぁ来年の論文に向けて口述の勉強も無駄にならないと自分に言い聞かせてテキストに向かう。

 

・2016年9~10月

論文が合格していたときのうれしさと危機感。すぐに会派の練習会とLECの模試を申し込む。確か、弁理士クラブ、同友会、春秋会、南甲弁理士クラブ、LEC(模試と道場)に参加したと思う。一番最初にあった弁理士クラブはボロボロで冗談じゃなく泣きそうになった。LECは過去問通りの印象(それでも十分練習になるし、緊張で答えられない)。会派は結構法改正とか、問われそうなところを聞いてくる感じだった。

場数をこなすうちに慣れてきて答えられるというか答え方のコツがわかってくる感じ。三つの試験で一番特殊で一番いやな試験だと思った。でも知識の量はここまでくれば十分のはずなので、後は基本(条文)に忠実に、知っていることをきちんとしゃべれるようにしていく。

 

・2016年10月 口述試験

場所はプリンスパークタワー。LEC道場や春秋会で行っていたので、下見はしない。

会場に着くと、1Fで受付。待機する部屋を指示される。部屋の中には、椅子が20個くらい並べられ、順番に座らされる。10分くらいごと一人ずつ連れて行かれる。トイレに行こうとすると金属探知機でチェックされる。飲み物は飲める。

特許、意匠、商標で部屋を巡る。一番最初の特許は部屋前の廊下で少し待たされたが、意匠、商標はすぐ案内され、一息つく暇もない。

特許は、補正の時期、趣旨から誤訳訂正書について問われる。誤訳訂正書はかなり記憶が曖昧だったので一回条文を見た。誤訳の訂正の「理由」を記載した~という表現が出るまで進めなかった。補正を認める趣旨のところも、出願人の「不利益」という単語が出るまで先に進めなかった。

雑談ができたので一安心。

 

意匠は、組物が出て、特殊な意匠の中では一番好きだったので、よっしゃと思う。副査の反応を手がかりにキーワードが出てるか確認しながら答える。それほど問題なく雑談。特許と雑談の内容が同じ。

 

商標は、商標権、専用使用権、通常使用権など。かなり基本的なところが問われた記憶があるが、あまり思い出せない。雑談なく終了。一番すんなり終わった印象なので、最後は時間調整する必要がないからかもしれない。

全体を通して試験官がすべて男性と女性のペアだったのは、何か意味があるのだろうか。

 

試験後、午後の試験の人が全員くるまで待機部屋で待たされる。本を持っていって時間を潰そうとおもっていたが、疲れ果て文章が入ってこない。周囲の人は初対面同士のようだったが、開放感からか談笑していた。寝てるふり。

試験後友人を呼び出して飲む。久しぶりに美味しい酒。

 

・合格後

なぜ受かったのか良くわからないところもあるが、今後研鑽を積んでいければよいと思っている。

2016年弁理士試験合格までにやったこと

おかげさまで弁理士試験に合格することができました。

合格までにやったこと、感じたことを以下に記録しておきます。

 

・2015年4月~9月

LECのアウトプット完成コースを受講開始し、勉強を始める。

基本的に通学(この時期は休日のみ)で、休んだときはWeb。

講義を録音し、繰り返し聴く。Web講義は、タブレットで風呂場などで視聴。

この時期のアウトプットは基本的に答練+Web講義で出る宿題。

答練ってよく聞きますが、要は演習みたいなもんです。

 

・2015年10月~12月

この時期から論文対策の講義と答練も始まる。通学は木曜夜と日曜のスケジュール。

論文は書き方から学ぶ。細かいルールがあるので、それを覚えながら、論理的に文章を書くことに苦戦した。手で文章を書くこと自体も久しぶりで大変。

とにかく慣れることが大事。

 

2016年1月~4月

年末休みは帰省せず、道場(集中講義的なもの)に通ったり、過去問をやる。

寂しい年明けだった一方、世の中の喧騒から離れて勉強に集中できた。

年が明けたら短答の割合をだんだん高くしていき、論文は模試の復習程度。

短答直前期は、短答に100%注力(論文の模試も最後の方は、会場で受けず、短答後に提出した記憶がある)。

 

模試の結果は良いときと悪いときでかなり差があり、安定しなかった。

特に商標や条約にその傾向が強かった。講義(勉強)の順番(特⇒意⇒商⇒条約…)からいって最後のほうになるので、手が回りにくいので仕方がないと思う。

模試の結果にはあまり一喜一憂せず、解けなかったところの復習をきちんとすることが肝要。

 

また、2016年度から科目別基準点制度が導入され、従来は難しい条約を捨てるという作戦ができたが、それができなくなった。上記のとおり、条約はかなり微妙なラインだったので、必死に勉強した。

特にPCTは、LECのテキストを、これ↓で塗りつぶし暗記。さらに過去問をひたすらやりつつ、なんでそんな制度になっているか理由をつけながら解くとよいとLECの佐藤先生がいっていたので、実行。

 

ゼブラ 暗記用 新チェックセット SE-360-CK 緑

ゼブラ 暗記用 新チェックセット SE-360-CK 緑

 

 結構使えるので、サブで使っていた法令集(PATEC企画のやつ)もこれで暗記ツールにしていた。

TRIPSは、道場で出る!といわれたとこだけ覚えた。(結局出なかったけど…)

マドプロとハーグは対比させながら勉強すると理解しやすい(同じとこ違うとこ)し、そこが問われやすい。

 

・2016年5月(短答受験)

四法は過去問をやりつくし、条文の正確な理解に努める。納富先生の道場でもらったシートを使いながら、条文をローラ式に一個一個理解、暗記する。

下三法は、過去問。

短答の会場は、立教大。一応下見はした。キャンパスがすごく綺麗。

受験中は、問題が法域順にならんで解きやすかったのを覚えている。

時間配分は計画通りで、見直しもできた。

しかし受かったかどうかはっきりとした手応えはなく、もやもや。自己採点をする気も起きず、LECの解答速報会も行かなかった。

今日くらいはいいかと思って、友人を呼び出して、飲む。帰りの電車でLECの解答速報を見ながら、友人に採点してもらうと、39点は越えていた。

 

続きます。

四角いすいか

少し前になりますが、某報道番組を見ていたら、夏の風物詩「すいか」の出荷のニュースが流れていました。ですが、このスイカ、普通のスイカとは少し違っているのが、その形。なんと四角形。

 

f:id:patentengineer:20140720004736j:plain

なるほど、そんな珍しいものはニュースにもなるだろう、と眺めていたら、そのスイカに貼られたラベルに「特許登録」の文字。

 

おおこれは、どんな特許をとっているのだろう、と思い立ち検索してみました。

 

とりあえず、IPDLでテキスト検索、「スイカ、西瓜」and「四角、立方体」の要約、請求の範囲で検索してみましたが、見つからず…。諦めて、しばらく放置してましたが、ふと思い立って、FIで検索してみました。

 

パテントマップガイダンスで、野菜のキーワードで検索。

すると、A01G7/06E、Fターム2B022FA04が近そうです。

これら検索キーも用いて、IPDLで検索

FI:A01G7/06?

要約、クレーム:スイカ すいか 西瓜

要約、クレーム:四角 立方体

のandで検索したところ、8件ヒットしました。

その中の、特開2003-00062公報が正解公報のようです。

 

香川県農業組合が出願人となっており、確かニュースでも香川の特産品として紹介されてました。

発明の内容としては、スイカを四角形の容器から取り出す際、スイカを傷つけることを防止する目的で、容器を枠体とアクリル板から構成したことにより、アクリル板を取り外して、枠体内のスイカを取り出せるので、キズが付きにくくなる効果を奏します。

 

権利はすでに消滅しています。

 

値段は、少し調べたところで、¥14000~と出てきました。食べるより、店頭でのディスプレイ用として利用されることが多いようです。

【楽天市場】四角スイカ の検索結果 - (標準順 写真付き一覧):通販・インターネットショッピング

少し高価ですが、珍しいもの好きの方はどうぞ。

因みにディスプレイ用のため、味の評判はあまり芳しくないようです…。